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山田詠美著 「三頭の蝶の道」 新潮社 1800円+税金
内容が面白くて、一気に読めます。小説好きな方、とくに年配者で河野多恵子、大庭みな子、瀬戸内寂聴の女流作家をご存じだったら、間違いないでしょう。
ところで、今や「女流作家」という呼び名は「揶揄の対象」だそう。
印象に残った文章。
「女の作家に愛想なんていらないってことなの。いるのは、才能と実力だけ」
「権威ってね、それはそれは気持ちの良い愛撫を与えてくれるの。それこそ、男なんかよりずーっと、ね」
「愛に近い敬意、そして嫉妬に近い憎しみが、その三人には常に交錯していたことを」
「文学の奴隷にして、小説の主人であった、愛されし、あの方たちに捧げるために」
ちなみに、蝶は「一頭」「二頭」と数えるそうです。
三頭とは三人の作家の人生。
女性初の夏目賞選考委員二人、これで河野多恵子と大庭みな子と知れてしまいます。三章建てとなっていますが、いずれも作家が亡くなることで動きます。回顧の中で蘇るのです。
河野多恵子、大庭みな子、瀬戸内寂聴は生前、実際この小説通りだったのだろう、と勝手に思ってしまうのでした。大庭みな子って面倒な人だったのね。
ただ「良い人は良い小説が書けない」とベテラン編集者に言わせています。作家として大家になるのは、それなりの偏狭、偏屈、自己愛がないとダメなのでしょう。
しかし山田詠美は上手い!文章のひとつひとつが研がれている感じ、でした。
それでは、また明日!!
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