ビジネス2面

「黒ひげ 危機から勝利一発へ
 お蔵入りは敗北じゃない」

 金曜日は「ヒットのクスリ」です。今日は一段と興味深い内容でした。

 「今回のテーマはモノやサービスの価値の相対性について。今年7月にパーティーゲーム『黒ひげ危機一発』(タカラトミー)は発売から50周年を迎える。仲間の海賊を救出するという設定のため、当初は『黒ひげを飛ばしたら勝ち』というルールだった」
 黒ひげ危機一発、我が家にもありました。危機一髪、ではなく一発なのですね。 

 「それから4年後。勝ち負けは自由設定に変わり、1995年には『飛び出させたら負け』になり、初期のアイデアはボツになる。罰ゲーム的に黒ひげを利用した人気クイズ番組の影響や、飛び出ると驚く様子が『負け』っぽい感じだったからだ」
 我が家も子供が小さい頃、飛び出したら負け、ルールでしたね。

 「しかし今年7月に『飛んだら勝ちで喜ぶ方が、より楽しさを共有できるのではないか?』と原点回帰に踏み切る。喜びのシェアなんて今っぽい。だが人は『得より損』に気をとられやすく、負けの方がドキドキ感があり、元に戻るのではないかと筆者は見る。購入者はどう動くか、ドキドキだ」
 え、どんな風に変わるのでしょうか?

 「企業が『これは当たる』と考え、押しつけるアイデアもすべりがち。ガリガリ君の赤城乳業(埼玉県深谷市)が平成レトロブームに乗り、2024年末に発売したギャルをイメージしたアイスは見事にすべった。消費者にとってギャルかどうかはアイスのニーズに関係がないし、市場としてのギャル人口もたかがしれているからだ」
 ガリガリ君の赤城乳業、どれもこれもヒット商品ばかりかと思っていました。意外です。

 「チョコ菓子の『ブラックサンダー』の有楽製菓(東京都小平市)も『肩に力が入ったネタは売れにくい』と分析する。例えば朝専用のブラックサンダー。用途の多様化を狙ったが、ほぼ意味不明だ。ブラックサンダーを食べるのに、朝も昼も夜もない。19年9月に発売し、21年3月にお蔵入りとなった」  
 朝専用のブラックサンダー、何だか笑えます。中村直文さんの「ほぼ意味不明だ。ブラックサンダーを食べるのに、朝も昼も夜もない」という突き放した文章も良い。

 「しかし時代が変われば、ボツネタからビジネスチャンスを生むこともある。アサヒビールの『スーパードライ 生ジョッキ缶』はその典型だ。缶をすべて外すフルオープン技術は11年には存在したが、開けたところで薄暗い缶の中に金色のビールがあるだけ。おいしそうに見えず、日の目を見なかった」

 「そして泡立ち技術は17年に技術陣から提案があったが、小さなビールの飲み口から泡が見えるだけではインパクトも小さく、製品化には至らない。しかし『家で生ジョッキを飲みたい』との消費者インタビューに可能性を感じ、ボツネタを合体した。21年に売り出すとコロナ下での家飲み需要の急増に伴い、大ヒット。他ブランドにも広げている」   
 これは私も買いました。ワクワク感があるのです。もちろん美味しいし。

 「何がウケるかは、時代で変わる。ギャルアイスも朝専用ブラックサンダーも復活する可能性は十分にある。『今、いい』と思ったら提案すべきだ。そして会社側は意見を言いやすい組織の柔軟さを育む努力が大事。アイデアはすべって転んで、飛んでいくものだ」

 思い出したのは、キリンの午後の紅茶。上層部は売れない、と反対したが、とんでもない大ヒットへ。商品を買うのは企業のお偉いさんではない、と改めて思うのでした。
 
    
        
スクリーンショット (28)
                                                       

    最後までお読み頂き、ありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。お役にたちましたら、クリックをお願い致します。
今後の励みと致します。


にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ
にほんブログ村


投資信託ランキング

スポンサードリンク