文化面

「私の履歴書 
 吉行和子 終活」

 最近は「私の履歴書」を真っ先に読むようになっていました。
 吉行和子さんの歴史はテレビや映画よりも演劇、舞台であった、と良く分かりました。私が子供の頃からホットケーキのCMに出ていたり、テレビでトークをしているのを散見していたので、タレントに近い方かと勘違いしていたのです。

 それは出自もあって、お兄さんは吉行淳之介さん、妹さんは吉行理恵さんと、ともに芥川賞作家。お兄さんは短編小説の名手でした。芥川賞を受賞する前の候補作などは秀逸です。お母さんはNHKの連続テレビ小説「あぐり」のモデル。あの時代にアグリカルチャーからあぐり、と名付けるなど、とんでもなくハイカラなお家の出身。
 それもあって、何となく順調にお仕事をされているのか、と思い込んでいたのです。

 ですから、ずっと一線にいるお方かと思っていましたが、そうでもなかったよう。遅咲きというべきか、映画の主演を張ったのも晩年になってから。それまではアングラ(当時はそういう言い方をしていた)など、少しでもスペースがあればそこで演劇をしていたと知って少々驚いた次第。

 随分昔になりますが、映画「お日柄も良くご愁傷様」に出演されていて、橋爪功さんとの夫婦役でしたが、実に良い映画でした。
 レンタルビデオで何度か見ました。

 それまでは舞台以外ではちょい役で、7千円程度のギャラで出演されていたそうです。それでも舞台には出続けた。

 きっと演ずることがお好きなのだろうあ、とつくづく思わされる。たいへんなことも多かったろうに、それを軽めのタッチで振り返っていました。
 最近は自主映画やインディーズの仕事も多くされているよう。お金、ギャラではないのでしょう。若く、無名に近い監督との映画が多いようです。

     印象に残った一説があります。若い監督に、もう年だから無理、と言ったら覚悟ですよ、と返された場面です。
「覚悟という言葉が胸に響いた。そうだ、どんな姿になってもいい。ボロボロになっても、俳優の仕事をまっとうしよう、そう思うようになった」                     
 岸恵子さんの「私の履歴書」を読んだ時は、美人で女優で文章が上手くて嫉妬したものですが、吉行和子さんは何となくシンパシーを感じたものです。機会を作って、若い監督が撮っている映画を見てみようと思いました。

      
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