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 新聞の広告を見て即座に購入しました。
 「絶対に面白い!」と確信がありましたから。読んでみたら、勘は外れていませんでした。

 著者は73歳、編集プロダクションを経営していましたが、借金を抱えて交通誘導員の仕事もしています。
 交通誘導員も他の仕事と同じく「コミュニケーション能力が大事」とか「どうしても好きになれない人がいた」り、特殊な世界ではありません。しかしながら、日常で見かける交通誘導員さんは憧れの職業でも、尊敬される仕事でもないようです。一日立ちっぱなしで住民や通行人、ドライバーからは罵声を浴びせられ、苦情も寄せられます。「誰でもなれる最底辺の職業」と著者は自嘲しますが、どうしてどうしてドラマがあります。人間臭さがいっぱいです。

 とくに日勤1日9000円とか、交通誘導員さんに外国人が少ない理由とか、へえーと思います。個人的に面白かったコラムは「猛女」。身長160センチで体重100キロ、自分を「おれ」という中年誘導員女にお金も部屋も貸している(同棲している)同僚誘導員の話し。こういう意外性に富んだ男女関係は嘘くささがなく、いかにもありそう。

 働いている方の平均年齢が高い職場ですが、老後の仕事として選ぶにはかなりきついものがあると思います。私には無理です。できません。
 立ち仕事、戸外作業が苦にならない方は、定年がない仕事のようですので、一日9000円稼ぐことができます。おすすめはしませんが。

 しかし、著者は失業してホームレス寸前の人に警備の仕事を勧めます。「警備を一生やりなさいと勧めるわけではない。働けば日払いもあり家がなければ寮もある。とりあえず就業すれば最低限の社会生活が可能なのが警備員かもしれない」と。

 決して暗くなりません。常に前向き。
 ただ、良く読むと著者はギャンブルもするよう。借金あってギャンブルはダメでしょう、とは思えますが、たぶん言うことは聞かないでしょうね。奥さんとのやりとりが時折出てきて、それも笑えます。
 何より編集プロダクションを経営し、自身の著作もある方の文章ですから平明で読みやすい。

 街で見かける交通誘導員さんに声を掛けたくなる一冊、でした。
            
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